相続トラブルの解決事例 33

被相続人が認知症を発症しているなかでの公正証書遺言作成や生前贈与が法的に無効であることを的確に指摘し、法定相続分に等しい金銭を取得・和解した事案

解決事例33

担当弁護士
谷 靖介
トラブル内容
その他相続トラブル
解決方法
交渉
ご依頼者
N.Zさん
受任年
2020年
解決年
2020年

相続トラブルの概要

被相続人の生前に被相続人から相手(弟)に不動産の贈与がなされており、かつ、相手に全ての遺産を承継する公正証書遺言が作成されていた事案です。遺産を全く渡そうとしない相手に対して、粘り強い交渉の結果、遺留分を大きく上回り、法定相続分に等しい適正な財産の取得に成功しました。

ご相談時の状況

父親の相続を巡る兄弟間の相続紛争事案です。本件では、被相続人の財産の大半を占める不動産(自宅の持ち分)が、被相続人死亡(相続発生)の半年以上前に、相手に全て贈与されていました。相続発生時に残っていた被相続人の遺産は数百万円の預貯金だけで、さらに、その預貯金の全てを相手に遺贈する内容の公正証書遺言が作成されていました。

ご依頼者のN.Zさんと相手との関係は非常に悪化しており、ご依頼者からの電話にも出ない状況でした。また、相手は住まいも明らかにせず、相続人の兄弟間で話し合いも全くできない状態となっておりました。

当事務所への相談当初、ご依頼者のN.Zさんは本件を他の弁護士に依頼中でした。しかし、その弁護士は、不動産の生前贈与・公正証書遺言のいずれも法的に争わず、ご依頼者の遺留分のみを請求する方針でした。前任弁護士の活動方針にご依頼者のN.Zさんは納得できず、セカンドオピニオンとして当事務所でのご相談となりました。

活動の概要

不動産贈与及び遺言作成当時、被相続人が既に中程度の認知症を発症しており、活動方針については、生前贈与・公正証書遺言が法的に無効であることを前提とした金銭請求としました。

数回の法律相談を経て、交渉の進め方、訴訟での勝訴見込み、活動方針などを丁寧に説明し、ご依頼者のN.Zさんが担当弁護士を切り替える決断をされてのご依頼となりました。

当事務所へのご依頼時、相手には弁護士が就任していなかったため、相手側に弁護士が就任する前に接触し、遺言作成状況や生前贈与の状況を詳しく伺い、相手がその有効性にどの程度自信があるのか、対立の姿勢、生前贈与や遺言の有効性への自信があるか、交渉での解決見込みを探る必要があると考え、早期に相手と面談を行いました。

面談時に相手は、「生前贈与や遺言作成当時、被相続人が相当程度の認知状態にあったこと」をハッキリ認める発言をしていました。これは、弁護士が就く前だったからこそ引き出せた発言です。ここが大きなポイントになりました。

既にご依頼前に相手方が生前贈与で譲り受けた不動産を売却していたため、法的請求は相続分に応じた金銭請求としました。

その後、相手に弁護士が就任しました。こちらからは医療や介護資料から被相続人の生前贈与と遺言が無効であることを指摘し、当方ご依頼者に相続分(1/2)に相応する金額を支払うよう、金銭請求を行いました。

相手の弁護士からは「生前贈与と遺言はいずれも法的に有効である。」「公証人が被相続人と面談をして作成した公正証書遺言であり、有効である。」などの反論がありました。こちらからは被相続人の認知症を裏付ける資料や訴訟での遺言無効となる裁判例の判断基準などを示し、相手側の法的に弱い部分を丁寧に突いた反論を行いました。

また、相手本人との面談状況時に「相手本人が生前贈与と公正証書遺言当時、被相続人が認知症にあったことを認めていた」といった、面談での相手本人の発言も指摘をしました。そして、「当方としては訴訟の中で決着をつけることを視野に入れている」と強く譲歩を迫りました。

活動結果

交渉の後半では、相手が訴訟を避けたい意向もあったことから、当方の主張の多くの部分を相手が認める流れとなり、和解条項の調整となりました。

そして、概ね下記を内容とする和解が成立しました。

  1. 相手はご依頼者に2000万円を支払う
  2. 相続税等の税金は当方が負担しない
  3. 墳墓祭祀の問題
  4. 今後相互に連絡を取らない
  5. 全ての法律関係の清算

結果として、生前贈与・遺言を法的に無効とした場合と等しい財産を取得することとなりました。交渉に要した期間は約半年で、様々なテーマも和解条項に盛り込むことができました。

ご依頼者様からのコメント

ご相談当初から、ご依頼者は親の財産を不当な方法で奪い取ろうとした相手を許せず、誠意に欠ける相手側の主張に立腹し続けていました。

無事に和解が成立した際、とても喜ばれていました。

ご依頼者のN.Zさんからは「前任の弁護士は生前贈与と遺言について、相手の言い分そのままに遺留分(法定相続分の半分)だけを請求する方針でガッカリしていました。」「リーガルプラスへ依頼する前は目の前が真っ暗になっていました。」と言われており、「認知症の親の財産を奪いとるようなマネをした弟を決して許すことはできない!」との気持ちが強く、裁判まで徹底的に戦う覚悟でおりました。

「自分の思いをしっかり相手にぶつけ、相手のおかしな主張にも正面から反論してもらえました。ほぼ法定相続分に相応しい金銭を取得できたため、和解内容には納得しています。」「無事解決ができたことにとても感謝しています。」など、感謝のお言葉をいただくことができました。

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