相続トラブルの解決事例 53

ご依頼者が他の相続人に不当利得返還請求を求められた遺産分割において、弁護士が訴訟でご依頼者の求める遺産分割の妥当性を主張し、判決でも認められた事案

解決事例53

担当弁護士
宮崎 寛之
トラブル内容
遺産分割
解決方法
不当利得返還請求訴訟等
ご依頼者
M.Dさん
受任年
2020年
解決年
2023年

ご相談時の状況

相続が発生し、遺産分割の事件をお受けしていました。

遺産の中に収益物件があり、収益物件の賃料を管理していたご依頼者のM.Dさんに対し、他の相続人が不当利得の返還を求めてきたため、併せてご相談・ご依頼となりました。

解決に向けた弁護士の活動内容

ご依頼者のM.Dさんは、賃料を受け取っていたものの、管理に際し費用を支出していました。また、被相続人が連帯債務者(被相続人とM.Dさんの夫との連帯債務)となっていた相続債務もあったため、M.Dさんは賃料からこの債務の支払いをしていました。

そこで当方は、これらの管理費用や、既払いの相続債務を利得から引くよう主張しましたが、相手方は応じませんでした。

訴訟でも同様の主張をしたところ、裁判所は、管理に要した費用の主張に対し、一定の証拠が残っているものについて利得から控除することを認め、相続債務を控除すべきとの主張に対しては、利得から控除することも認めました。

解決に至ったポイント(連帯債務について)

被相続人とご依頼者のM.Dさんの夫は、自宅を共有していました。被相続人が頭金を支出し、残りは2人が連帯債務者として住宅ローンを組みました。

連帯債務には負担割合というものがあり、2名だから単純に半分ずつ負担するというものではありません。例えば、全額住宅ローンを組んで取得した建物の持分がA:3分の1、B:3分の2だった場合、AB間では、住宅ローンもAが3分の1、Bが3分の2を負担します(銀行には、ABとも全額の支払い義務を負います)。

本件では、被相続人が頭金を出していたため、この割合が複雑な問題となってしまいました。

頭金を考慮せず、自宅の持分割合で住宅ローンの負担割合を決めると、相続時の債務は相続人全員で負担すべきものとなり、支払った相続債務を控除するこができ、M.Dさんに有利でした。この考え方の方が、相続人間で先行していた遺産分割事件の結論とも整合すること、結論の妥当性などから、自宅の持分割合で住宅ローンの負担割合を決めるべきと主張し、判決でもこの主張が採用されました。

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