相続トラブルの解決事例 43

母親の遺言内容に不自然な点が多いことから弁護士に遺留分侵害額請求を依頼、相続税調整もふまえた適正な遺留分を獲得できた事案

解決事例43

担当弁護士
谷 靖介
トラブル内容
遺留分侵害額請求
解決方法
協議
ご依頼者
B.Sさん
受任年
2022年
解決年
2022年

ご相談時の状況

母親の相続に関するご相談です。被相続人である母親の相続人は、ご依頼者のB.Sさん(長男)、相手相続人2名(次男、三男)の3名でした。相手相続人がB.Sさんの知らない間に公正証書遺言の作成を手配し、相続が発生後、遺言の存在が明らかとなりました。

法律相談時に、遺言の作成の経緯などに不自然な点や納得しがたい点が多いとの話があり、ご依頼者であるB.Sさんの考えをしっかり相手に伝え、また、適正な遺留分を取得する方向でご依頼となりました。

活動の概要

まずは、遺言の作成経緯について事実の説明や経緯を知るべく、相手相続人に連絡をしました。そして、相手相続人による遺言作成の経緯や母親(被相続人)の遺言作成時の考えなどについては、ご依頼者のB.Sさんにとって納得しかねるものであったことから、B.Sさんの疑問点をしっかりと相手相続人に伝えました。

そのうえで、遺産目録の入手、不動産の価値査定を進め、遺留分の分析を進めました。

活動結果

相手相続人2名にはそれぞれ別の弁護士がつき、遺留分の支払い自体には応じるとのことで、金額の調整を進めていきました。

相手が遺留分支払い前に相続税の申告を行っており、相続税の処理が複雑化していましたが、ご依頼者であるB.Sさんの意向もあり、相続税の既納付分と遺留分支払い額の調整などを進めました。

結果として、適正な遺留分の金額の支払いを受け、追加の納税対応の負担も軽い内容にて解決しました。

依頼者様からのコメント

活動開始当初、ご依頼者のB.Sさんは「母親の考えとは思えないこのような遺言が勝手に作成されており、弟達が何を考えているのか理解しがたい」と、困惑や不信感が強い状態でした。

弁護士として、ご依頼者の考えをしっかりと相手に伝えることに注力しました。また、相手相続人も紛争の拡大を望んでいなかったことから、双方の弁護士で和解調整を丁寧に行い、結果として、適正な遺留分を受け取る結果となりました。

遺留分請求の場合、遺言に関する気持ちや基礎遺産の算定などをめぐり、様々な利害調整が必要となります。

家庭裁判所の調停や訴訟に依らず、本件では半年間ほどの協議で、適正な遺留分を確保することができ、B.Sさんからは、「信頼関係のない兄弟の相続問題について依頼ができ、かなり心理的な負担が軽減されました。」「順調に進めていただき、すっきりしました。」とのお言葉をいただけました。

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