相続トラブルの解決事例 12

遺産分割の話を拒否した相続人に対し、弁護士が協議できない問題を分析して遺産内容と分割方法について理解を得られるよう丁寧に説明、関係をこじらせることなく遺産分割協議が成立した事案

解決事例12

解説弁護士
齋藤 碧
トラブル内容
遺産分割協議
解決方法
交渉
ご依頼者
K.Yさん
受任年
2018年
解決年
2019年

相続トラブルの概要

ご相談者のきょうだいが数年前に亡くなり、相続人はその他のきょうだいと甥・姪です。ご相談者が他の相続人に遺産の説明をしましたが、説明に不足があり、相続人の1人から信用が得られず、遺産分割の話を拒否されたままの状態が続いていました。

解決に向けてのポイント

遺産分割協議は、必ず相続人全員で行わなければならないため、1人でも遺産分割の話を拒否する方がいると、裁判所での遺産分割調停や審判という手続きをとらざるを得ないこととなります。

裁判所での手続きを行うと今後の親族関係にも影響してくることから、本件では、他の相続人から信頼を得られるように専門家である弁護士が関与し、遺産や分割方法の説明を客観的な資料をもとに行い、協議により解決する道を探りました。

解決に向けた交渉の経過

ご依頼者は、他の相続人から遺産分割の話を拒否されてから数年が経過しており、このような状態が継続すると解決する方法がないのでは?と、不安を持っていました。弁護士から、遺産分割の話を拒否されて協議ができない場合でも、裁判所で調停や審判手続を行うことにより解決する方法があることを説明し、ご依頼者の方に協議での解決を希望するか、裁判所での手続での解決を希望するかを選択いただきました。

ご依頼者は、協議での解決をご希望されたため、遺産等の調査を行い、調査資料を他の相続人に開示して、遺産分割協議の申入れをしました。

遺産分割の話を拒否していた方には複数回事情の説明を行ったところ、理解をいただけたことから、相続人全員での遺産分割協議を成立させることができました。

当事務所が関わった結果

親族間には長い交流がありましたので、遺産分割に当たっても様々な利害関係や感情的な問題が絡んできます。一度話し合いがこじれてしまうと、なかなか当事者のみで解決することが難しくなります。

そのような状態になった際、専門家であり、かつ、当事者ではなく客観的な判断ができる弁護士が関与することにより、相続人間で何が原因で協議ができない状態になってしまったのかを丁寧に分析します。その上で、問題に対処するにはどのようなことが必要かを検討し、解決に最適な道を探ることができます。

本件では、説明不足が主な原因であったことから、弁護士から各金融機関等への調査を行い、他の相続人に分かりやすいよう、遺産の一覧化を行うとともに分割方法の提示を行いました。また、他の相続人からの事情説明の求めに対して、ご依頼者との間に入り、理解を得られるよう努めた結果、協議での遺産分割を成立させることができました。

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